2010年3月27日土曜日

true tears Blu-ray BOX その1



発売元:バンダイビジュアル
発売日:2010/03/27


フィールド毎のリサイズによる縞の問題は事前情報で確定状態だったけれど、事前に公開された静止画や動画の状態から勝手に予想していた状態より良い状態だった。分析的な視点で見ると公開データは動画だけでなく静止画も雑にキャプチャした状態で、サンプルとしてはあまりよろしくないと言えるのだけど、予想より良い方向にはずれたので気にしないでおこう。

演出的な意図や処理の違いもあって話数やシーン毎の画質差もあるけれど、大雑把に二つに分けて少しボケが強くコントラストも低めのところと、比較的鮮明だけどその分フィールド毎の拡大での縞の劣化が目立つところがある。

上は1話のややボケたカットの分布。上下にジェット状の分布は縞HVの特徴というのはいつもの通り。横の伸びもそれほどよくないけれど、放送で視聴できたtvk, BS11に比べるとこれでも一回り以上大きく、放送よりすっきりした映像でアプコンと迷うような質感にはなっていない。




といってもしっかり縞の劣化はあるので縞を解消した分布。劣化以前にHVとしてはぼかしの強い絵なので劇的に改善というほどの差はないけれど、奇妙なノイズは消え円に近い分布になる。ソフトな質感ではあるけれど、線の乱れのない映像に回復できる。




線も少し暗くコントラストも高めで少し鮮明に見えるカットのフレーム。

ここは何故か上下の噴出しが途中で切れた奇妙な分布になっていて、似たような分布になるところも多々ある。縦720から1080へフィールド毎に拡大した問題だけでなく、その前にも何か奇妙な処理があってその影響が出ているようだ。それがどんな処理だったのかの推測はあるものの、実験的に再現するなど検証も必要なので保留。ちなみに公開されたOPの乃絵フレームの口の上に「階段状」と表現したくなるような段差が見えるけれど、それもこの謎の処理が影響している。

その処理と鮮明さは直接関係するわけではないけれど、このフレームは横方向の伸びがよく、十分HVらしい鮮明さもあってボケも少ない。逆に線の乱れがぼかしで誤魔化されなくなり目に付くところが多い。




このフレームも縞を解消してみる。元の絵もある程度鮮明なので縦方向の伸びもよくなり、素直な円に近い分布になる。優秀といえるような映像になるわけではないけれど、この程度の分布であれば不満を感じる人は少ないだろう。

作品として楽しめなくなる問題ではなく、実際に補正する環境を作るのも面倒な上、修正してもほとんど差がわからない環境もありそうなので、手間をかける意味があるかはこだわり次第。

true tears Blu-ray BOX まとめ



追加映像の分布。追加映像の中にも少しボケ気味のカットもあり、比較的よい場所を選んでいるけれど、ちゃんとフレーム単位に拡大されているので最初から伸びもそれほど悪くない円に近い分布になる。

くっきり画質というほどの鮮明さはないものの、コントラスト高めのカットも多く、追加部分はHVとしても悪くない画質になっている。

既製本編の縞を解消すると、この追加パートに近い質感になる(最初からボケの強いところは元の絵以上に鮮明になったりしないけれど)ので、比較してみるとその環境でも縞の影響がどの程度あるのか判断できるかも。



結局この作品も放送同様フィールド単位のリサイズによる縞の問題はそのままで、少しでも期待しているとがっかりできる画質だったけれど、縞以外は無難な作りで放送より十分よく見える環境も多いだろう。同じ問題を持つBDも多いのに、今回は他の作品より話題になったので認識も広がって縞HV撲滅に向かって欲しいところ。

2010年3月26日金曜日

ダンスインザヴァンパイアバンド 1


発売元:メディアファクトリー
発売日:2010/03/25

1話の番組内番組中のフレーム。文字も入っているため、その部分は削っています。十分大きい分布で演出的な部分を除くとぼかしの弱い映像ではあるものの、比較的明るい線が多くくっきり感の強い絵にはなっていない。

ジャギ感の強い線で最近のシャフトの傾向と少し異なり粗さが残る画質。演出的な意図もあるかもしれないけれど、見た目にはちょっと雑に見える。解像度低めの環境の方がよく見えることもありそう。

シャフト作品では素材となる元の絵のジャギの特徴が残っていて悩むことが多いけれど、この作品は非常に綺麗に縦横1280x720のジャギが残っているHV1280。




2話の分布。

色がついているのは、何か事故った?と思えてしまうくらいの独特な映像効果の影響だろう。放送同様、輪郭周辺を中心に色がつく効果はそのままの状態。

細かいグレイン風ノイズが強くあるため、その分布に埋もれて小さく見えてしまうけれど、1話同様少し粗いジャギ感があるくらいの絵で、静止画で見てボケているわけではない。

ただ、グレイン風ノイズは動画で見ると輪郭がはっきりしなくなる効果もあり、色効果で線が赤味がかってコントラストも低くなりがちなことも加わり、普通にテレビで見るとどこかはっきりしない画質になりがち。といっても意図的に狙ってこの質感にしたのだろう。





グレイン風ノイズがない状態を確認するために、ぼかしてノイズを消そうとすると当然ノイズ以外もボケてしまい都合が悪い。ノイズはほぼランダムなので、絵に動きがなければ複数のフレームを平均してノイズを大幅に軽減したフレームにすることが可能、ということで8フレームをブレンドしてグレイン風ノイズをほぼ消した状態での分布が下。色はそのままだけどノイズの分布が消え、絵の特徴を表す分布になっている感じ。

そんな面倒な作業を必要とするのは、フレーム内の要素が全て重なった状態になるこの分析方法の欠陥なんだけど、それ以前に素直に画質を評価するなら絵で見て判断すべき話。それでもこの方法を使っているのは人の目では判断が難しいアプコンとHVの判別が最初の目的だったため。


独特な演出、効果であっても、基本はいつものシャフト画質かな?と思って買うとものたりない気分になる人も出てきそうな出来かも。

2010年3月24日水曜日

ひだまりスケッチ×☆☆☆ 1


発売元:アニプレックス・TBS
発売日:2010/03/24


巨大というほどではないけれど大きめのHV分布。と補間の効いたリサイズは使っているものの、ボケが弱いので僅かにジャギ感も残るくっきり画質はシャフトではよくあるパターン。リンギング的なノイズもそのまま残っているので、放送より周囲にノイズの分布が出ているところが多い。輪郭強調効果にもなるけれど、大画面や近くで見ると少し気になる人もいるだろう。

BD, DVDを買った人には説明するまでもないわかりやすい答えだったけれど、アバンだけ低解像度の理由はシャフトが多用する上下黒帯び付きシネスコサイズの絵をサイドカットして16:9に拡大して放送しただけだった。折角4:3放送止めたのに今度は上下に黒帯でまた苦情が・・・というTBS担当者の要望によるよる加工なのかな?

放送でのアバン部分は縦541という中途半端な数字になっていた回があったけれど(全話同じだろうけど未確認)、シネスコ状態の黒帯びを除いた絵の部分は撮影段階の解像度で546程度なので、黒帯が残らないように適当に周囲を削った結果の数字でしかなかったようだ。

動きの少ないカットも多いとはいえ動くところはそれなりに動き、劣化が目立ちやすい色の使い方も多いだけにBDの安定感もはっきりわかるけれど、放送画質としてはTBSは優秀な方なので、それほど差がないと思う人も多そう?

はなまる幼稚園 1


発売・販売元:キングレコード
発売日:2010/03/24


HV番宣や本編の奇妙な映像からこれも縞HVの可能性を心配したけれど、BDではまともな(というより普通の)HV映像になっていた。

この映像を元にしてテレビと同じ状態にするにはかなり面倒な処理が必要なので、同枠アニメでも時々あった積極的な低画質化放送、といういつものすたちゃらしい行動だっただけのかな?

放送から想像できる程度に全体に淡くソフトな質感に加え、グレイン風ノイズも比較的強めにかかっていて、ノイズの分布が広く薄く広がっている。

放送の低画質アプコンとは比較にならないものの、HVとしては鮮明さには欠けるので、くっきりすっきり画質が好きな人は少し不満を感じるだろう。とはいえ雑な感じもなく、この作品に合った質感なので悪いというわけでもない。

ノイズの影響で若干精度に自信はないけれど、番宣では正確に縦720からのフィールド単位の拡大だった特長の通り、フレームで拡大されたこのBDの映像でも近い特徴は確認できるので、普通に1280x720だろう。

2010年3月16日火曜日

サマーウォーズ


発売元:バップ
発売日:2010/03/03


大きいというほどでもないけれど、十分HVらしい分布。何故か横より縦方向に少しボケが強いところが多い。

グレイン風ノイズもあり全体にソフトな質感。CG部でもジャギがはっきり見えてしまうところは少なく、普通のアニメ作画部を含め比較的落ち着いた見やすいシーンが多い。時かけのどこか眠い画質から、ちゃんとHVらしさを感じられるくらいに向上している。

とはいえ人物が小さく描かれるようなカットを中心にぼかしによる線のコントラスト低下が顕著なところもあり、さらに上の解像度の映像を見慣れた目には精細さを感じるような映像でもないので、2009年作品ということを考えるとちょっと物足りないと感じる人もいるかも。

CG部はアンチエイリアス効果でジャギ感を軽減している感じなので高精度で確認できる場所は少ないけれど、極端に細い線になっている部分などではほぼ正確に1280x720のジャギが確認できる。通常のアニメ作画部分でも同程度の解像度の特徴が出ているので映像部分は全体がHV1280のようだ。

上下に黒帯びもなく16:9の映像になっているけれど、冒頭部分のスタッフの文字やタイトル、最後のスタッフロール部分も文字はフルHD解像度で入っていてリサイズした形跡はない。というあたりの特徴からマスターは普通にフルハイビジョン解像度の16:9で、BDはほぼそのまま最低限の劣化で収録されている、と考えていいだろう。

戦う司書 The Book of Bantorra 1


発売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント
発売日:2010/02/26


状態のよいところは十分HVらしい分布になるけれど、ぼかしが強く一回り小さい分布になるところも多く全体としてはソフトな印象。

グレイン風ノイズが比較的強く、そのノイズの分布が背景に広がっている。そのグレイン風ノイズは固定されていてフレーム毎に変化がなく、カットが変わっても維持されているようだ。

HV番宣が放送されていたMXなどの映像ではグレインの情報量に負けて圧縮での崩れが大きかったけれど、BDではそのような劣化も見えずはっきり縦横とも1280x720の特徴が出ているところが多い。

演出の要素が強いとはいえシーンによって輝度差が大きく、映像全体で見てあまりバランスがよいとは思えない。というのも自分の好みから見た感想ではあるけれど、OPは文字まで灰色になっているし、低コントラスト映像が好きな人がいるのかな?