2010年1月14日木曜日

崖の上のポニョ


販売元: ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント
発売日: 2009/12/08


どちらかというと作画についていろいろ言いたくなる映像ではあるけれど、語り尽くされているだろうし、そのための場所でもないので、いつも通り特異な視点で映像の特徴を見ておこう。

あまり例のない巨大な円分布で非常に精細な映像。上下に21ピクセル幅の黒帯付きで16:9より少し横長。劇場版のテレビ放送でもよくある1.85:1のアメリカンビスタサイズ。

デジタルマスターそのままといった感じの映像だけれど、カメラを固定して撮影したような背景に動きのないカットでもフィルム映像のようなフレーム毎の微妙な位置ずれがあり、近くで見ると少し揺れているのが分かる。

一方、全体に12fps程度で動き同じ絵が2フレーム以上続くところも多くあるけれど、そのような場所のグレイン風ノイズに注目して見ると、同じ絵の2フレームのノイズがほぼ一致している。本物のグレインであればすべてのフレームで異なる状態になるので、フィルムを経由した映像というわけでなくフィルムっぽさを表現するためにフレーム毎絵の位置を微妙に変えているのだろう。

そんな少し変わった効果はあるものの、CGを使わない、と言っても普通のアニメの作り方と大差ないので、基本的にはデジタル制作アニメの見慣れた質感であり、解像度の高さと作画の違いを除けば特に個性的な特徴は見えてこない。

他では見られない別次元の映像というものではないけれど、上下の黒帯を含めて1920x1080の特徴が確認できるフルHV解像度の映像。大きな絵を縮小した特徴も線に残っているけれどリサイズを繰り返したような乱れはない。本編ではないけれど冒頭のスタジオジブリ作品の文字とトトロの絵、それに続くの関連企業のクレジットの画面の文字の映像が最初から1920x1080の解像度で作られているように見えるので、劇場版用にさらに高解像度のマスターがあるわけではなさそう?ジブリだけにやろうと思えば出来るだろうし、超HVマスターが絶対無いとはいえないけれど、マスターが最初からこのサイズであればオリジナルの映像が最低限の劣化でそのまま収録されているということで理想に近い状態と言えるだろう。

流石に色に不自然なところもなく、やるべきことはちゃんとやっていて真面目に作った感じはするけれど、逆に真面目すぎてメニューなども遊びがなく、わくわくするような要素が不足していて面白みがない。BD指定でねだることもないだろうけど子供には辛すぎる価格設定含め、子供向けの娯楽作品というより宮崎ファン向けの資料BDのような要素が強い商品なのかな?