2009年1月29日木曜日

狼と香辛料 Blu-rayDiscBOX その1


販売元: ポニーキャニオン
発売日: 2009/01/30

ポニキャニだし可能性はあると思っていたけれど、本当にHV1280-iのままBD化してしまうとは思わなかった。

上下にジェット状の噴射みたいな影が出ている典型的なHV1280-i分布で、1280x720サイズからの拡大処理がフィールド単位に行なわれたために縞が出てしまい、線が荒れて部分的には不自然な絵になっているところもある。拡大時のアルゴリズムの選択も微妙で、フィールドで見ても輝度が不安定でムラがあり、リサイズでの劣化は小さくない。

普通にテレビで見た時には縦方向にボケるだけで実際に縞が目に見える環境はあまりないだろうし、現状でもラインバレルやドルアーガなどHV1280-iで放送されているものはそれなりにあるので、視聴上はちょっとボケのあるHV画質という感じに思え、アプコンっぽい絵になっているわけではないといえなくもない?とはいっても、技術的な問題で優秀なアプコンに負けるくらいまで縦方向に劣化しているわけで、放送で低画質化の意味であれば文句をいうほどの話でもないけれど、公式で堂々とハイクオリティな映像と書いてこの状態というのは、ポニーキャニオンの技術力の低さに同情したくなる、というかそれ以前に関係者の中には劣化に気付いている人間もいないのか!と、いやらしい上から目線的発言をしたくなるくらいにはがっかりな画質。



こちらは、MX1話の同じフレーム。


BDと比べても大差ない分布。このアニメでもMXの放送はオリジナルに近く、解像度的な視点では十分優秀。



BDもMXの放送も、全てがこの分布のHV1280-i状態ではなく、本編中にも縞のない部分がある。BDは5,6話のEDのみHV1280-iでクレジットの文字を含めて縞で劣化した状態なので、ディスク2の6話と7話のEDを比べて見ると6話の方が何かおかしいと判別できる環境も多いだろう。6, 7話EDで比べてみると単純に拡大処理だけの差だけでなく色にも差があるので、別の劣化も出ている可能性もありそう。




BDの縞をインタレ保持で720に戻し縞を解消させてみた時の分布。奇妙な分布は軽減したものの、フィールドで見ても線にムラがある状態なのであまりよい状態に回復できていない。

この状態でも奇妙な縞は消え細かい線もちゃんと分解された素直な絵になり、ある程度大きな画面で見ると違いがわかる程度にすっきりした映像になる。このアニメの場合カット毎チェックしないといけないので、BDからオリジナルの映像に近い絵を再現するのはかなり面倒だろう。